日本の食品流通にイノベーションをおこす「いずみホールディングス」

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流通を変える泉卓真
流通を変える泉卓真

流通業界の常識が変わった「産地直送」

 

2000年代から特に注目されるようになった現在では当り前になったのが「産地直送」。文字通り、生産者から直接消費者に食品を送り届けるという仕組みです。今では誰もが当り前に産地直送で、新鮮な食品をより安く購入できるようになりました。しかし、90年代以前まで産地直送は極めて珍しい流通方法であり、一部の限られた人のみしか利用できませんでした。多くの小規模な飲食店や消費者は市場や卸売、小売店等を通じてしか食品を購入できなかったのです。

 

泉卓真氏が手掛ける日本卸売市場が世の中を変える?

インターネットを介して様々な商品を購入する「ネット通販」が一般的となっています。「リアル店舗ではなく、ネット通販で買い物をする機会の方が多くなった」という方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介する泉卓真氏が手掛ける「日本卸売市場」も、基本的にはインターネットを利用し、新鮮な食品を気軽に購入できるサービスです。こう言ってしまうと、特に画期的なサービスではないように思えるかもしれません。事実、既に食品を購入できるネット通販サービスはいくつも存在しています。しかし、一般的な食品通販サービスと日本卸売市場には、大きな違いがあります。

 

インターネットで生産者との価格交渉も可能

市場での買い付けが難しかった小規模な飲食店等が、卸売市場に参加するような形で直接生産者から食品を購入できる、という点が、日本卸売市場のユニークな特徴です。一般的なネット通販サービスの場合は、最初から価格が決まっており、交渉等の余地はありません。しかし、日本卸売市場ではそれぞれの商品の価格はその場で決まります。つまり、ネット上で生産者とやりとりをして価格交渉を行えるのです。

本来、卸売市場にはその名の通り、権利を持った卸売業者のみしか参加できません。一部、一般消費者等が直接購入できるようになっている市場も存在しますが、その多くは購入ではなく観光を目的としたもので、普段の食卓に食品を届けるためのものではありません。

 

 

泉卓真が日本の食品流通にイノベーションをおこす。「いずみホールディングス」が起こした奇跡