かつおのたたきはどのようにして作られるようになったのか?

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日本の先人が発明した「かつおのたたき」

傷みの早いかつおを美味しく食べる方法を考えた日本の先人は凄いですよね!かつおのたたきがどのように出来たのかというのは、複数の説いがあり誰が思いついた調理法なのかは定かではありませんが、一説によると漁師のまかない料理としてできたメニューになったという説やそ生食の食中毒を恐れて生食を禁止した為という説もあります。

かつおのたたきはどのようにして作られるようになったのか?

何故、かつおを食べるのか?

傷みが早く食中毒になる恐れがある「かつお」を何故、そこまでして食べたいのか?1つはその美味さ、藁で炙ったかつおのたたきは何とも言えない香ばしさが魅力で多くの日本人を虜にしています。そしてもう1つは、栄養素です。昔は今ほど栄養素が十分に取れなかった時代です。そのような状況でかつおの栄養素は、とても魅力的な栄養素でした。高タンパクで低カロリーでなにより鉄分豊富なのが魅力です。血合いの部分には、タウリンが多く含まれておりタウリンを置く含まれていると言われているタコや牡蠣が100g中に約500gの含有量に対してかつおは、なんと!100g中に約800gもタウリンが含まれています。

ちなみにタウリンとは「タウリン1000㎎」を声高に叫ぶリポビタンDに含まれいます。

タウリンについては説明が長くなるのでリポビタンDの説明を引用させて頂きます。

タウリンは、私たちの体のほとんどの臓器や組織に、ある程度存在している物質です。体重が60kgの人で、60gのタウリンを体内に蓄えているそうです。その50%は骨格筋肉に分布され、また心臓、脳、目の網膜などに高い濃度で含まれています.食品では、ホタテ貝、かき、いか、たこ、かつおなどの魚介類に豊富に含まれていることも知られています。

○心臓とタウリン
大阪大学の東純一教授は、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓疾患などによる心不全患者62名を対象にタウリンの効果を厳密な方法で調べました。その結果、心不全に有効であることが判明し、それに関連する浮腫(むくみ)や肝腫大(肝臓の腫れ)、呼吸困難、動悸といった症状にも効果的であったことを発表しています。

東京学芸大学元教授の小野三嗣先生は、ジョギングする若い健康な男女25名を対象に夕ウリンの効果を実験しました。タウリンを飲んだ時と飲まなかった時、ジョキング中の体調にどのような差が出るかを調べたのです。その結果、タウリンを飲んだ時の方が脈拍数が低く抑えられ、心厳の負担が軽くすむこと、また血圧の上がり方も少ないことがわかりました。

○肝臓とタウリン
“昔から黄疸の人や肝臓の悪い人には貝類の味噌汁をと言われています。貝類はタウリンをたくさん含んでいるからです”と、急性肝炎へのタウリンの効果を奈良県立医科大学学長の辻井正先生がおっしゃっています。
京都府立医科大学学長の栗山欣弥先生の研究によると、肝臓病患者にタウリンを投与すると、肝臓によいタウリン抱合型胆汁酸の増加が認められること、またラットの実験から、タウリンには過酸化脂質という有害物が肝臓に増えるのを抑える働きがあることがわかりました。タウリンは肝細胞を過酸化脂質から保護することにより、肝臓の機能を守ってくれるのだと説明されています。

○高血圧とタウリン
京都大学大学院教授、家森幸男先生の研究によると、食塩を多く含むえさを与えたラットにタウリンを投与したところ、血圧の上昇が抑えられ、タウリン未投与のラットより4~5倍も長生きしたとのこと。これはタウリンを多く取ることにより、腎臓中のタウリンも豊富になり、過剰なナトリウムを捕まえ尿中にどんどん排出して、血圧を下げたためとおっしゃっています。
家森先生はWHOに要請して、世界22か国で食生活と成人病の関係を調査した結果、チベットに脳卒中が多く、広州には少ないことがわかりました。チベットではラマ教の憤習上、鳥や魚を食べないのでタウリンをほとんど摂れません。一方、広州では東シナ海の新鮮な海の幸が、毎日食卓をにぎわせています。50歳代の平均血圧が100-63と、日本の小学生並みの数字でした。

○筋肉とタウリン
大阪大学の馬場明道教授は、タウリンの筋肉運動に対する効果も研究されています。その研究によると、筋肉運動をつかさどる神経の情報伝達を高める働きがタウリンにはあるとのこと。またさらには、東京学芸大学運動生理学教室のラットによる研究では、タウリンが筋肉における収縮エネルキーの増幅に影響をおよぼし、筋肉のさまざまな代謝作用をも好転させることを示しています。タウリンは体内において、いちばん人間を動かしているところや、機械的に生命を維持しているところに多く分布しています。筋肉をなめらかに持続的に動かすためにも、タウリンは重要なのではないかと考えられているわけです。

○猫にタウリン
猫は体内で、ほとんどタウリンを合成できません。食物から摂るしかないわけです。それゆえ、体内にタウリンを多く持つネズミを捕るのではないかと言われてきました。しかし最近は、猫がこのように猟をすることが減っています。室内で飼うことが多くなったことと、最近のペットフードにタウリンを含むものが多く発売されるようになり、これがネズミを捕らなくなった原因では、と言われています。

タウリン1000㎎
タウリン1000㎎

タウリンの他にもDHAやミネラル成分、カルシウム、カリウム、亜鉛等豊富な栄養素がバランスよく摂取できる「かつお」はそれだけ食べる価値がある食材なのです。

もう少し詳しく書いた記事は下記を参照ください。

かつおのたたき由来は?その調理法と旬は?