シニア世代の健康寿命を支える「運動」という名の処方箋

人生100年時代。健康寿命の延伸が叫ばれる現代において、シニア世代の健康維持は重要なテーマです。

「健康」と一言で表しても、その内容は多岐に渡ります。

  • 身体的な健康はもちろんのこと、精神的な健康
  • 社会との繋がりを維持することもまた、健康な生活を送る上で欠かせない要素

これらすべてに好影響をもたらす万能薬とも呼べるものが、他でもない運動なのです。

厚生労働省の「健康日本21(第二次)」でも、健康寿命延伸のために、以下の目標が掲げられています。

【目標】

  • 65歳以上の高齢者の日常生活における身体活動量を10年前より10%以上増加させる
  • 65~74歳の運動習慣者(週2回以上、30分以上の運動を実施する人)の割合を50%以上にする
  • 75歳以上の運動習慣者の割合を40%以上にする

しかし、年齢を重ねるとともに、体力や運動機能の低下、持病のリスクなどが高まり、「運動不足」という状態に陥りやすいのも事実です。

「今更運動なんて…」 「若い頃のように動けないし…」

そう思われる方もいるかもしれません。

しかし、運動に年齢は関係ありません。

シニア世代に運動がもたらす効果

シニア世代が運動をすることによって、様々な効果が期待できます。

1. 身体的な健康

  • 筋力・体力の維持・向上 加齢とともに衰えがちな筋肉や骨密度を維持し、身体機能を向上させます。
  • 転倒予防 バランス感覚や足腰の筋力を養うことで、転倒のリスクを軽減します。
  • 生活習慣病の予防・改善 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の予防や改善に繋がります。
  • 認知機能の維持・向上 脳の活性化を促し、認知機能の低下を抑制する効果も期待できます。

2. 精神的な健康

  • ストレス解消・リフレッシュ効果 運動は気分転換になり、ストレス解消やリフレッシュ効果をもたらします。
  • 意欲や自信の向上 目標を達成することで、達成感や自信を得られます。
  • 睡眠の質の向上 適度な運動は、質の高い睡眠へと繋がり、心身の疲労回復を促します。

3. 社会的な健康

  • 交流機会の増加 地域によっては、シニア向けの運動教室やサークル、ボランティア活動などもあります。
  • 生きがい・役割の創出 運動を通して新たな趣味や生きがいを見つけ、社会との繋がりを維持することは、健康寿命の延伸にも繋がります。

このように、運動は身体的な健康だけでなく、精神的、社会的な健康にも大きく寄与するのです。

シニア世代におすすめの運動

とはいえ、若い頃と同じような激しい運動は、身体への負担が大きくなってしまいます。 シニア世代には、無理なく継続できる運動がおすすめです。

  • ウォーキング 手軽に始められる有酸素運動です。 景色を楽しみながら、友人との会話を楽しみながら、マイペースに歩きましょう。
  • ラジオ体操 全身運動で、関節や筋肉をバランス良く動かせます。
  • 軽い筋力トレーニング スクワットや腕立て伏せなど、無理のない範囲で筋肉を鍛えましょう。
  • ヨガ・ストレッチ 体の柔軟性を高め、怪我の予防にも繋がります。
  • 水中運動 浮力により関節への負担が少なく、安心して運動できます。

運動を行う際は、以下の点に注意しましょう。

  • 事前に医師に相談する 持病がある場合は、運動の種類や強度について医師に相談しましょう。
  • 無理のない範囲で行う 体調に合わせて、無理のない範囲で運動しましょう。
  • ウォーミングアップ・クールダウンをしっかり行う 怪我の予防のためにも、準備運動と整理運動は必ず行いましょう。
  • 水分補給を忘れずに行う 運動中は汗をかくので、こまめな水分補給を心がけましょう。

最後に

運動は、健康寿命を支える上で欠かせない要素の一つです。

「もう年だから…」と諦めずに、自分に合った運動を見つけ、無理なく継続していくことが大切です。

運動を通して、心身ともに健康で、豊かなシニアライフを送りましょう。

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